看護師は自分の感情を抑え、患者が必要としていることを理解して行動する感情労働の側面が強い仕事と言われている。そのため、仕事をしているなかで、イライラや怒りが込み上げる看護師も少なくない。そして、それが長期離脱や離職につながるケースもあるのが実態だ。
そこで、看護師は怒りなどの感情をコントロールするのに役立つ、アンガーマネジメントを知っておこう。アンガーマネジメントで広く知られているのが、怒りのピークは6秒間というものだ。怒りの感情は最初の6秒が最も強いため、この6秒間をやり過ごせれば怒りの爆発を避けられる。看護師はこの6秒ルールを実践し、ネガティブな感情を表に出さずに済むことも少なくない。
さらに、アンガーマネジメントでは相手にリクエストすること、改善提案することを薦めている。患者や同僚に対して、どのような部分をどのように改善してほしいと具体的にわかりやすく伝えるのだ。すると怒りの原因を根本から取り除くことができ、実際に看護師のストレス軽減にも役立つだろう。ただし、人間関係の悪化などを考慮し、伝え方には十分注意しておきたい。
医療機関がリーダーシップをとり、個々の看護師のアンガーマネジメントに取り組んでいるところもある。例えば、病棟の看護師長が看護師と患者の相性などを考慮して該当患者との対応時間を短くしたり、配置換えを行ったりするのだ。そうすることで看護師の不安やストレスを軽減させ、スムーズな看護を実現できるだろう。